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執筆者の写真なるとにし てとてとて

てとてとて中学校読み聞かせ会

更新日:2021年1月17日

なるとにしてとてとてメンバーで地元中学校の読み聞かせ会をしました!


今年度はコロナの影響で3年生に行けないまま終わってしまうなあと残念に思っていたのですが、3年生が「読み聞かせに来てほしいです。」と要望してくれて実現した読み聞かせ会です。「せっかくなので授業時間1時間使ってやってください。」と担任の先生からありがたいお言葉をいただき、5時間目、6時間目を使って1クラスずつ2回に分けて実施しました。

1クラスなので、通常の読み聞かせにしようかと思ったのですが、絵をはっきり見てもらいたいという気持ちもあって、書画カメラを使用してプロジェクターでスクリーンに映すことにしました。


てとてとてメンバーでの読み聞かせ会は初めて。

50分やるのも初めて。

中学生への読み聞かせはめっちゃ緊張。


で、写真を撮り忘れ、1枚もなし・・・。


ですが、この話を聞いて見に来たいといってくださっていた方もいたので、詳細レポートを

お届けしようと思います。

「ぼくのブック・ウーマン」

ヘザー・ヘンソン文

デイビッド・スモール絵

さ・え・ら書房

恵美純子が担当しました。

学校図書館の役目はきっとこういうことなんだと思える絵本で、私にとってのバイブルでもあります。

1930年代、フランクリン・ルーズベルト大統領(今の教科書ではローズベルト大統領になっています)のニューディール政策の一環、雇用促進計画の中で実際にあった馬に乗って家々に本を配って回る図書館員のお話です。学校へ通うこともできないような山奥に住んでいる子どもたちに雨の日も、霧の日も、凍えそうに寒い日も馬に乗って本を届けてくれるブック・ウーマン。文字が読めなかった子どもに「読書」という文化を持ち込んだ彼女らの功績はとても大きかったと思うのです。

 「私の夢は、県内すべての学校図書館に人を置くことです。おばあちゃんになるまでには叶えられたらなあと思います。」と締めくくりました。

「絵もきれいだったし、お話もよかったし、社会でローズベルトについて習っていたからタイミング的にもすごくよかったと思う。」と感想をもらえてとっても嬉しい!


「ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。」

石井光太

ポプラ社

佐々木由紀が担当しました。 

「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペン、それで世界は変えられます。」という、マララ・ユスフザイさんの国連のスピーチの後に、石井光太さんの分が綴られています。

まず、これを読もうと思ったことに敬意を払いたいです。全部読むと20分近くかかるんです。学級で担任の先生が読む本だなと思っていました。たまにしかいかない読み聞かせボランティアにはなかなかハードルが高い本です。

でも、マララさんのスピーチ部分は本当にマララさんの姿が見えるようだったし、そのあとの石井さんの部分は力強く訴えかけるような読み方で、何より「子どもたちに伝えたい」という想いがあふれていて、集中力欠くことなく聴くことができました。想いをのせた言葉はちゃんと心に響くんだと思えるような素晴らしい読み聞かせでした。暴力に勝つのは暴力ではなく、教育です。自分の思いを言葉にする力をつけることがどんなに大切なのかを改めて教えられた気がします。

 日本に来たマララさんに会いに行ったこと、キャパオーバーで会場に入れなかったこと、実際に見たマララさんは小さくて華奢で、「威厳あふれるリーダーが世の中を変えるんじゃない、こういう子が世界を変えるんだと思った。私も頑張らないといけないと思った。」という言葉はきっと子どもたちに響いたと思います。

「かみさまからのおくりもの」

ひぐちみちこ

こぐま社

黒濱綾子が担当しました。

5人のうまれた子どもたちに神様がプレゼントをくれます。赤いほっぺの赤ちゃんには「よくわらう」、大きな赤ちゃんには「ちからもち」、泣いている赤ちゃんには「うたがすき」、よく動く子には「よく食べる」、すやすや寝ている赤ちゃんには「やさしい」を。

たくさんの赤ちゃんとお母さんに関わってきた彼女ならではのチョイス。やさしくてあたたかい語り口に心癒されました。「お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そして周りのたくさんの人にたくさんのおくりもの(愛情)をいっぱいもらったことを忘れなければ、きっと大丈夫。(意訳です)」

そうだね、きっと大丈夫!


「わたしのわごむはわたさない」

ヨシタケシンスケ

PHP研究所

真面目な路線が続くと疲れてしまうので、ここらで笑いを提供!ということで、こういうのを読ませたら天下一品の上甲浩子が担当しました。

お母さんにもらった「自分だけの」輪ゴムをこよなく愛し、輪ゴムと一緒に過ごす楽しい生活に想像を膨らませる女の子がたまらなく可愛くてくすっと笑わずにはいられません。

人から見たらガラクタにしかみえないものだって、自分が大切だと思えばそれは大切なものなのですよね。そして、大切なものは時とともに変わってもいい。女の子の空想があまりにも面白くて笑っちゃうんだけど、実はとっても深いなあと思います。そして、やっぱり浩子の読みは絶品♪


メンバー全員が1さつ読み終わったところで、なるとにしてとてとての誕生秘話(別に隠してはいないのですがw)をお話ししました。


なるとにしてとてとては、7年前に佐々木由紀の「絵本作家のサトシンさんを鳴門にどうしてもよびたい!」の熱い想いを受けて、鳴門市のWeloveなると助成金を申請するために立ち上げた団体です。「ど、ど、ど、どーした、どーした?」と引くほどの熱量だった由紀の「サトシンさんを鳴門に呼びたい。」という気持ちは、プレゼン前に「ねえ、私何話せばいい?」と右往左往し、頭真っ白になるほど緊張しつつもちゃんと伝わり、めでたく助成金を頂いてサトシンさんを鳴門に呼ぶことができたのでした。サトシンさんが来るたびに県内各地の徳島を愛する素敵な仲間に出会えて今に至ることをお話ししました。



「いぬがかいたかったのね」

サトシン作、細川貂々絵

集英社           


4人のかけあい読み。

この日の朝、由紀と私は小学校の読み聞かせが入っていたのですが、2人ともこれを読んだという偶然(笑) 

中学生には、イヌを通り越したあたりから「あんたどこまでいっちゃうのよ。人間ってホントにさ。」という感じの笑いが起こりました。小学生よりももっと人間臭い部分を感じることができるところが中学生への読み聞かせの魅力かなと思います。


いよいよラストということで、中学校の読み聞かせが始まった経緯についてお話ししました。


 今から8年前、中学校が一時期荒れて、トラブルが絶えなかった時期がありました。トラブルに関して保護者から相談を受けることも多かったのですが、実際に見ていないことで勝手な判断をするわけにもいかず、とりあえず読み聞かせに入らせてほしいと担任の先生に願いしたのが始まりでした。でも、読み聞かせに入るようになって1年して、校長先生に「朝はセミナーもやらなければならないし、子どもたちは色々と忙しいので朝の読み聞かせをやめてほしい。そのかわり昼休みにお願いしたい。」と言われてしまいました。

 それに対して、普段学校に文句を言うことなど一切ない私が、「だめです。読み聞かせは

聞きたい子も聞きたくない子も一緒に聞いて初めて意味があるんです。昼休みでは聞きたい子しかきません。絶対にだめです、続けさせてください。」とものすごい食い下がって継続できることになりました。でも、そんなことえらそうに言えるほど自分はえらいのかと罪悪感をずっと感じていて。

 そんなタイミングでサトシンさんが鳴門に来られました。サトシンさんにお願いして、中学校の朝の読み聞かせに来てもらったのです。3年生全員を今回の会場と同じ視聴覚室に集めて。サトシンさんの読み聞かせに、子どもたちも先生も驚くほど喜んでくれて、終わってからもやんちゃな男子たちが走って追いかけてきて、「ありがとうございました。すごいよかったです。サインください!」ってハグまでして。

感動でした。

「ああ、やっぱりあの時頑張ってよかったんだ。」と心から思えた瞬間でした。

 そしてその後、勤務していた小学校でのサトシンさんの絵本ライブを終えて校長室で朝の中学校での読み聞かせの話をしていたら感動で涙が出てきて、涙と鼻水でぐっちゃぐちゃ。飲み終わったコーヒーのカップが鼻かんだティッシュでてんこもりになりました。


そんなお話をしてからのラストはやっぱりこれ


「おとなからきみへ」

サトシン作、羽尻利門絵

あわわ

                

添付のCDの歌にのせて4人でかけあいの読み聞かせ。

間奏部分のメッセージは

「自分らの子ども以外の子どもたちも楽しいことに巻き込んじゃおうぜ!と学校から外の世界へ踏み出して7年になります。

私たちはそのおかげで

県内各地の徳島をこよなく愛する愉快な仲間と

たくさん出会うことができました。

毎回あーでもない、こーでもないと悩みつつも

最後は「進化してんじゃね、オレたち!」と

言えちゃうところが私たちのいいところだと思っています。」

やっぱり「おとなからきみへ」はCDを流しながら読むのが一番ぐっときます。

途中さりげなく(いやこれみよがしだな笑)自分たちが描かれているところを指さして教えてしまいましたよ(笑)


以上、てとてとての読み聞かせ会詳細レポートでした。


帰ってから、「あなた、今日の読みきかせ好評だったわよ。」と娘からの感想をいただきました。よかったなあと思います。メンバーのみんな、一緒にやってくれてありがとう!

(恵美純子)










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